仁科港のすぐ山手にスサノオノミコトを祀った天王神社がある。この天王神社で毎年7月16日に「天王様のお注連あげ」という行事が行われる。いつの頃からはじめられたか定かではないが、その年の五穀豊穣や疫病退散を祈って行なわれる。
行事はまず材料の稲ワラが浜、沢田、大浜の各戸から1戸2~3把納められ、それを太さ20~30センチメートル長さ70~80メートルにあむ。これを注連縄といい、この注連縄には2メートルおきにタレを着け、タレとタレの間に麦ワラで作られた馬がつるされる。
この大注連縄の調整は7月15日から16日の正午までに完了するが、調整の奉仕者もおしめあげの奉仕者もともに共導社(大浜、浜、沢田の青壮年団体)の人々である。でき上った大注連縄は、100~150人の共導社の人々が二組に分かれ、独特の「きやり」をうたいながら天王社鎮座の東南及び西側の峰の上にある大松の間に張りわたす。そのシメナワの大きさも類をみないものであろうし、まことに豪快な夏祭りである(昔はこのナワの上を若者がわたったということであるが、途中失敗して落ちても絶村ケガはしなかったとのことである)。
交通
仁科バス停から徒歩2分。