ジオパークとは
ジオパークとは、「大地のなりたちや地形、地質をテーマにした自然公園」と言えます。ジオパークの多くは、素晴らしい自然景観(地形)や地層、岩石、湧水、温泉、化石などが存在する場所にありますが、人々の歴史的遺産や文化遺産なども対象に含めます。なお、一つのジオポイントの中に、地形・地質に加えて、歴史や食文化等、複数の見所が含まれている場所もあります。
伊豆半島の成り立ち
伊豆半島の歴史は、約2000万年前にさかのぼります。当時の伊豆は、本州からはるか南のかなた数百キロメートル先の太平洋の海底に沈む火山群でした。その後、約60万年前に、フィリピン海プレートの北上の動きに合わせて、日本の本州に接近、衝突し、現在の半島の形になりました。衝突後、20万年前までは、半島上のあちこちで噴火が続きます。天城山や達磨山といった伊豆の大型火山が誕生し、現在の伊豆半島の骨格を形づくりました。
これら大型火山の活動が終わると、日本には数少ない単成火山群の活動が始まります。大室山に代表される「伊豆東部火山群」の誕生です。また、フィリピン海プレートの動きは、現在も伊豆半島を本州に押し込み続けていて、緩やかな地殻変動が、伊豆の大地の多様性を今なお育み続けています。
こうした二重三重の地質学的な特異性が伊豆半島を形成しており、伊豆半島は世界のどこを探しても例をみない、地球上の特異点ともいえる場所となっているのです。
西伊豆町のジオポイント
西伊豆の地学的な特色は、海底火山時代(およそ2千万年前から2百万年前まで)の地層が広く分布することであり、それらの断面があちこちの崖で観察できます。また、伊豆半島で最も古い地層として知られる仁科層群(2千万から1千5百万年前)も、このエリアだけに分布しています。
堂ヶ島
海底火山の噴火にともない噴出された白色の軽石が海底に降り積もり、波や海流の作用により美しい縞模様(斜交層理)が刻まれています。海食洞の天井が丸く抜け落ちてできた「天窓洞」では、差し込む日差しが神秘的な空間を作り出しています。
浮島海岸
かつての海底火山にマグマを供給したマグマの通り道である岩脈群を観察することができます。板状の奇岩のひとつひとつが、かつてのマグマの通り道です。
一色(枕状溶岩)
伊豆で最も古い地層が見られます。仁科層群は、その大部分が海底火山で流れ出した溶岩(枕状溶岩)などで構成されています。
黄金崎
夕陽で黄金色に染まる美しい崖の地層は、海底火山の噴出物ですが、のちの温泉水や地熱の作用によって変質変色したものです。
(県指定天然記念物)
沢田公園
公園の近くの白色の海底火山灰層には、中世の磨崖仏が描かれています。公園内には、断崖絶壁から絶景を楽しめる露天風呂もあります。
枯野公園
海底火山の火山灰や軽石、水底土石流など様々な海底火山の現象を観察できます。
伊豆半島ジオパーク関連サイト
- 伊豆半島ジオパーク推進協議会(外部リンク)