基本用語

1 普通会計

 個々の地方公共団体は各会計の範囲が異なっていることから、財政状況の統一的な掌握及び比較を行うため、地方財政状況調査上便宜的に用いられる会計区分であり、一般会計のほか、特別会計のうち地方公営事業会計に係るもの以外のもの。


2 一般会計等

 地方公共団体の会計のうち、地方公営事業会計以外のものであり、地方財政の統計で用いられている普通会計とほぼ同様の範囲であるが、地方財政の統計で行っているいわゆる「想定企業会計」の分別(一般会計において経理している公営事業に係る収支を一般会計と区分して特別会計において経理されたものとする取扱い)は行わないこととしている。


3 地方公営事業会計

 地方公共団体の経営する公営企業、国民健康保険事業、老人保健医療事業、後期高齢者医療事業、介護保険事業、収益事業、農業共済事業、交通災害共済事業及び公立大学附属病院事業に係る会計の総称。

4 公営企業(法適用企業・法非適用企業)

 地方公共団体が経営する企業であり、法適用企業と法非適用企業に分類される。通常、地方公営企業法の全部又は一部を適用している事業を法適用企業、地方財政法第6条の規定により特別会計を設けて事業の経理を行っている公営企業であって法適用企業以外のものを法非適用企業と分類している。
 法適用企業には、地方公営企業法の全部を適用することが法律で定められている上水道、工業用水道、軌道、鉄道、自動車運送、電気(水力発電等)、ガスの7事業、法律により財務規定等を適用するように定められている病院事業(以上、当然適用事業)及び条例で地方公営企業法の全部又は財務規定等を任意で適用する事業(任意適用事業)がある。法非適用事業には、下水道事業、宅地造成事業、観光施設事業等(それぞれ地方公営企業法を任意適用していないものに限る。)がある。
 公営企業の経理は特別会計を設けて行うこととされており、その特別会計を公営企業会計という。法適用企業の公営企業会計は、企業会計方式により経理が行われ、法非適用企業は、一般会計と同様、地方自治法に基づく財務処理が行われる。


5 形式収支

 歳入決算総額から歳出決算総額を差し引いた歳入歳出差引額。


6 実質収支

 当該年度に属すべき収入と支出との実質的な差額をみるもので、形式収支から、翌年度に繰り越すべき継続費逓次繰越(継続費の毎年度の執行残額を継続最終年度まで逓次繰り越すこと。)、繰越明許費繰越(歳出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由等により年度内に支出を終わらない見込みのものを、予算の定めるところにより翌年度に繰り越すこと。)等の財源を控除した額。
 通常、「黒字団体」、「赤字団体」という場合は、実質収支の黒字、赤字により判断する。


7 単年度収支

 実質収支は前年度以前からの収支の累積であるので、その影響を控除した単年度の収支のこと。具体的には、当該年度における実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額。

8 実質単年度収支

 単年度収支から、実質的な黒字要素(財政調整基金への積立額及び地方債の繰上償還額)を加え、赤字要素(財政調整基金の取崩し額)を差し引いた額。

9 有形固定資産減価償却率

 償却資産の取得価額等に対する減価償却累計額の割合。資産の減価償却がどの程度進んでいるかを指標化することにより、その資産の経年の程度を把握することができる。算出式は以下のとおりである。
償却資産評価額+減価償却累計額/減価償却累計額=有形固定資産減価償却率

10 債務償還可能年数

 
実質債務が償還財源の何年分あるかを示す指標。ストックの情報とフローの情報から算出されるものであることから、地方債の発行抑制等だけでなく、事務事業の見直し等の単年度の収支によっても変化する。算出式は以下のとおりである。
業務収入等(※2)-業務支出(※)/将来負担額(※1)-充当可能基金残高(※1)=債務償還可能年数※1 将来負担額及び充当可能基金残高については、地方公共団体財政健全化法上の将来負担比率の算定式による。※2 業務収入は、資金収支計算書(地方公会計)における業務収入(地方税、地方交付税等)による。また 、「業務収入等=業務収入+減収補填債特例分発行額+臨時財政対策債発行額」とする。※3 業務支出は、資金収支計算書(地方公会計)における業務支出(人件費、物件費、補助金等)による。

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財政分析指標等

1 実質収支比率

 実質収支の標準財政規模(臨時財政対策債発行可能額を含む。)に対する割合。実質収支比率が正数の場合は実質収支の黒字、負数の場合は赤字を示す。

2 経常収支比率

 地方公共団体の財政構造の弾力性を判断するための指標で、人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費(経常的経費)に充当された一般財源の額が、地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源(経常一般財源)、減収補塡債特例分及び臨時財政対策債の合計額に占める割合。
 この指標は経常的経費に経常一般財源収入がどの程度充当されているかを見るものであり、比率が高いほど財政構造の硬直化が進んでいることを表す。

3 標準財政規模

 地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので、標準税収入額等に普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額を加算した額。

4 財政力指数

 地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値。
 財政力指数が高いほど、普通交付税算定上の留保財源が大きいことになり、財源に余裕があるといえる。

5 公債費負担比率

 
地方公共団体における公債費による財政負担の度合いを判断する指標の一つで、公債費に充当された一般財源の一般財源総額に対する割合。
公債費負担比率が高いほど、一般財源に占める公債費の比率が高く、財政構造の硬直化が進んでいることを表す。


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健全化判断比率等

1 健全化判断比率

 地方公共団体財政健全化法で定められた、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率の4つの財政指標の総称。財政の早期健全化等の必要性を判断するものであるとともに、他団体と比較することなどにより、当該団体の財政状況を客観的に表す意義を持つ。

2 実質赤字比率

 当該地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率。
福祉、教育、まちづくり等を行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し、財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえる。

3 連結実質赤字比率

 公営企業会計を含む当該地方公共団体の全会計を対象とした実質赤字額及び資金の不足額の標準財政規模に対する比率。
 全ての会計の赤字と黒字を合算して、地方公共団体全体としての赤字の程度を指標化し、地方公共団体全体としての財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえる。

4 実質公債費比率

 当該地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模を基本とした額※に対する比率。
 借入金(地方債)の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し、資金繰りの程度を示す指標ともいえる。
 地方公共団体財政健全化法の実質公債費比率は、起債に協議を要する団体と許可を要する団体の判定に用いられる地方財政法の実質公債費比率と同じ。
※ 標準財政規模から元利償還金等に係る基準財政需要額算入額を控除した額(将来負担比率において同じ)。

5 将来負担比率

 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め、当該地方公共団体の一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模を基本とした額(※)に対する比率。
 地方公共団体の一般会計等の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高を指標化し、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標ともいえる。

6 資金不足比率

 

当該地方公共団体の公営企業会計ごとの資金の不足額の事業の規模に対する比率。
公営企業の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し、経営状態の悪化の度合いを示す指標ともいえる。

基金等

  

1 財政調整基金

 地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するための基金。

2 減債基金

 地方債の償還を計画的に行うための資金を積み立てる目的で設けられる基金。

3 その他特定目的基金

 財政調整基金、減債基金の目的以外の特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立てるために設置される基金。具体的には、庁舎等の建設のための基金、社会福祉の充実のための基金、災害対策基金等がある。

4 債務負担行為

 数年度にわたる建設工事、土地の購入等翌年度以降の経費支出や、債務保証又は損失補償のように債務不履行等の一定の事実が発生したときの支出を予定するなどの、将来の財政支出を約束する行為。地方自治法第214条及び第215条で予算の一部を構成することと規定されている。

5 ラスパイレス指数


加重指数の一種で、重要度を基準時点に求めるラスパイレス式計算方法による指数。ここでは、地方公務員の給与水準を表すものとして、一般に用いられている国家公務員行政職(一)職員の俸給を基準とする地方公務員一般行政職職員の給与の水準を表している。

歳入

1 地方譲与税

 国税として徴収され、そのまま地方公共団体に対して譲与される税。地方公共団体の財源とされているものについて、課税の便宜その他の事情から、徴収事務を国が代行している。
 現在、地方譲与税としては、地方揮発油譲与税、石油ガス譲与税、特別とん譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税及び地方法人特別譲与税がある。

2 地方特例交付金

平成18年度及び平成19年度における児童手当の制度拡充並びに平成22年度における子ども手当の創設に伴う地方負担の増加分等に対応するための児童手当及び子ども手当特例交付金、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除による減収と自動車取得税の減税に伴う自動車取得税の減税に伴う自動車取得税交付金の減収の一部を補填する減収補填特例交付金から構成される国から地方公共団体への交付金。

3 地方交付税

 地方公共団体の自主性を損なわずに、地方財源の均衡化を図り、かつ地方行政の計画的な運営を保障するために、国税のうち、所得税、法人税、酒税及び消費税のそれぞれ一定割合並びに地方法人税の全額を、国から地方公共団体に対して交付される税。
 地方交付税には、普通交付税と災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税がある。普通交付税は、基準財政需要額が基準財政収入額を超える地方公共団体に対して、その差額(財源不足額)を基本として交付される。

4 一般財源

 地方税、地方譲与税、地方特例交付金及び地方交付税の合計額。なお、これらに加え、市町村においては、都道府県から交付を受ける利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、特別地方消費税交付金、自動車取得税交付金及び軽油引取税交付金(政令指定都市のみ)を加算した額をいうが、これらの交付金は、地方財政の純計額においては、都道府県と市町村との間の重複額として控除される。

5 一般財源等

 一般財源のほか、一般財源と同様に財源の使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源を合わせたもの。目的が特定されていない寄附金や売却目的が具体的事業に特定されない財産収入等のほか、臨時財政対策債等が含まれる。

6 地方消費税

 平成9年4月に導入された道府県税であり、その賦課徴収は、当分の間、国が消費税と併せて行い、各都道府県に払い込むこととされている。また、各都道府県は、国から払い込まれた額を消費に相当する額に応じて、相互間で清算することとされている。
 特に断りのない限り、都道府県間における清算を行った後の額を地方消費税として歳入に計上し、地方消費税清算金は歳入・歳出いずれにも計上していない。

7 国庫支出金

 国と地方公共団体の経費負担区分に基づき、国が地方公共団体に対して支出する負担金、委託費、特定の施策の奨励又は財政援助のための補助金等。

8 都道府県支出金

 都道府県の市町村に対する支出金。都道府県が自らの施策として単独で市町村に交付する支出金と、都道府県が国庫支出金を経費の全部又は一部として市町村に交付する支出金(間接補助金)とがある。

9 減収補填

 地方税の収入額が標準税収入額を下回る場合、その減収を補うために発行される地方債。地方財政法第5条に規定する建設地方債として発行されるものと、建設地方債を発行してもなお適正な財政運営を行うにつき必要とされる財源に不足を生ずると認められる場合に、地方財政法第5条の特例として発行される特例分がある。

10 臨時財政対策債

 

地方一般財源の不足に対処するため、投資的経費以外の経費にも充てられる地方財政法第5条の特例として発行される地方債。
平成13年度から31年度までの間において、通常収支の財源不足額のうち、財源対策債等を除いた額を国と地方で折半し、国負担分は一般会計から交付税特別会計への繰入による加算(臨時財政対策加算)、地方負担分は臨時財政対策債により補填することとされている。


歳出(目的別

 行政目的に着目した歳出の分類。地方公共団体の経費は、その行政目的によって、総務費、民生費、衛生費、労働費、農林水産業費、商工費、土木費、消防費、警察費、教育費、公債費等に大別することができる。

1 総務費

 地方公共団体の全般的な管理事務(財政・企画・庁舎管理・人事・戸籍・徴税・選挙・統計等)に要する経費のほか、その他目的別に区分することのできない経費。

2 民生費

 地方公共団体は、社会福祉の充実を図るため、児童、高齢者、障害者等のための福祉施設の整備、運営、生活保護の実施等の施策を行っており、これらの諸施策に要する経費。

3 衛生費

 地方公共団体は、住民の健康を保持増進し、生活環境の改善を図るため、医療、公衆衛生、精神衛生等に係る対策を推進するとともに、し尿・ごみなど一般廃棄物の収集・処理等、住民の日常生活に密着した諸施策を行っており、これらの諸施策に要する経費。

4 労働費

 地方公共団体は、就業者の福祉向上を図るため、職業能力開発の充実、金融対策、失業対策等の施策を行っており、これらの諸施策に要する経費。

5 農林水産業費

 地方公共団体は、農林水産業の振興と食料の安定的供給を図るため、生産基盤の整備、構造改善、消費流通対策、農林水産業に係る技術の開発・普及等の従来の施策に加え、6次産業化等の推進、人口減少社会における農村漁村の活性化等の施策を行っており、これらの諸施策に要する経費。

6 商工費

 地方公共団体は、地域における商工業の振興とその経営の強化等を図るため、中小企業の経営力・技術力の向上、地域エネルギー事業の推進、企業誘致、消費流通対策等様々な施策を行っており、これらの諸施策に要する経費。

7 土木費

 地方公共団体は、地域の基盤整備を図るため、道路、河川、住宅、公園等の公共施設の建設、整備等を行うとともに、これらの施設の維持管理を行っており、これらの諸施策に要する経費。

8 消防費

 地方公共団体は、火災、風水害、地震等の災害から国民の生命、身体及び財産を守り、これらの災害を防除し、被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うため、消防行政を行っており、これらの諸施策に要する経費。

9 教育費

 地方公共団体は、教育の振興と文化の向上を図るため、学校教育、社会教育等の教育文化行政を行っており、これらの教育施策に要する経費。

10 公債費

 

地方公共団体が発行した地方債の元利償還等に要する経費。
なお、性質別歳出における公債費が地方債の元利償還金及び一時借入金利子に限定されるのに対し、目的別歳出における公債費については、元利償還等に要する経費のほか、地方債の発行手数料や割引料等の事務経費も含まれる。

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歳出(性質別)

 経費の経済的性質に着目した歳出の分類であり、義務的経費、投資的経費及びその他の経費に大別することができる。

1 義務的経費

 地方公共団体の歳出のうち、任意に削減できない極めて硬直性が強い経費。人件費、扶助費及び公債費からなっている。

2 人件費

 職員給、特別職給与、議員報酬、各種委員報酬や退職金など、職員等に対し、勤労の対価、報酬として支払われる経費。

3 扶助費

 社会保障制度の一環として地方公共団体が各種法令に基づいて実施する給付や、地方公共団体が単独で行っている各種扶助に係る経費。

4 公債費

 地方公共団体が発行した地方債の元利償還等に要する経費。

5 物件費

 人件費、維持補修費、扶助費、補助費等以外の地方公共団体が支出する消費的性質の経費の総称。具体的には、職員旅費や備品購入費、委託料等が含まれる。

6 維持補修費

 地方公共団体が管理する施設等の維持に要する経費。

7 補助費等

 他の地方公共団体や国、法人等に対する支出のほか、地方公営企業法第17条の2の規定に基づく繰出金も含まれる。

8 繰出金

 普通会計と公営事業会計との間又は特別会計相互間において支出される経費。また、基金に対する支出のうち、定額の資金を運用するためのものも繰出金に含まれる。
 なお、法非適用の公営企業に対する繰出も含まれる。

9 積立金

 特定の目的のための財産を維持又は資金を積み立てるために設立された基金等に対する経費。

10 投資及び出資金

 国債、地方債の取得や第三セクター等への出捐、出資等のための経費。

11 貸付金

 地方公共団体が様々な行政施策上の目的のために地域の住民、企業等に貸し付ける貸付金。

12 投資的経費

 道路、橋りょう、公園、学校、公営住宅の建設等社会資本の整備等に要する経費であり、普通建設事業費、災害復旧事業費及び失業対策事業費から構成されている。

13 普通建設事業費

 公共又は公用施設の新増設等に要する経費。そのうち、新規整備とは、新たに公共施設等を整備したものに加え、既存の道路、橋りょう等の拡幅及び歩道、車線の増設並びに既存の公共施設等への機能強化などをいい、更新整備とは、施設の耐震化工事、老朽化による改築や建て替え、建て替えに係る解体及び設備の更新などをいう。

14 補助事業

 地方公共団体が国から負担金又は補助金を受けて実施する事業。

15 単独事業

 地方公共団体が国からの補助等を受けずに、独自の経費で任意に実施する事業。

  

16 災害復旧事業費

 地震、台風その他異常な自然現象等の災害によって被災した施設を原形に復旧するために要する経費。

17 失業対策事業費

 失業者に就業の機会を与えることを主たる目的として、道路、河川、公園の整備等を行う事業に要する経費。

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総務課行財政係
[昼間]電話:0558-52-1111(直通)
[夜間・土日祝祭日]電話:0558-52-1111(代表)
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